旅するやまねこ舎のつれづれ

旅するやまねこ舎@ローカルブックストアkita.(横浜・馬車道・北仲通り)棚主やまねこが本について語ります😸

きんじょ いしいしんじ 著

 先週は延期していた京都、滋賀へ旅行が実現。

 河原町丸太町の誠光社さんへ。

https://www.seikosha-books.com

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 開店と同時に入店し、いろいろ迷った末に買ってきた「きんじょ」を本日読了。

  初めて葵祭が見られるか…と延泊。ところが雨天(開始予定時刻には晴れていたのに…😹)のため1日順延になってしまった😓

また来年~🖐️

「きんじょ」

いしいしんじ 著

2018年6月3日 初版第1刷

発行所 ミシマ社

 本書は、いしいしんじさんと息子さんのひとひ(自称ぴっぴ)くん、奥さまの園子さんをはじめ、しんじさんのご両親やご兄弟の親子三代、また、ご町内の皆さんとの暮らしの出来事を綴ったエッセイ。

ミシマ社「みんなのミシマガジン」に連載されたものを単行本化したもの。装丁がユニークで、棚の中にあって目を引いた。ボール紙の黄色い表紙にマジックで書かれたと思われる「きんじょ」の文字。シールが2枚貼ってある。ミシマ社手売りブックスというシリーズの1冊目らしい。

 いしいしんじさんは大阪出身で、学生時代を京都で過ごし、東京、三浦三崎、松本…各地を経て再び京都へ。息子さん(ひとひくん)ご誕生によりお父さんになった。

 本文をしんじさんが書き、題字、各章の冒頭の地図はひとひくんによる親子の共同作業で誕生。ひとひくんの成長記録を通して京都の人の生活を眺める、といった楽しみ方ができる本。しんじさんのお宅の至近距離に版元のミシマ社さんも私が本書を購入した誠光社さんもある。地産地消…の本。

 ひとひくんが羨ましいなあ、と思いながら、ひとひくん目線で読み進める。このエッセイの主人公はひとひくんに違いない。しんじさんは大阪で大きな学習塾を経営していた(なんと受勲なさったそう❗️)お父さんの元で育ったそうだが、ひとひくんが元気いっぱいに自転車に乗る(京都中の自転車屋さんを回って大好きなBMX購入)までの経緯や、乗馬クラブ「クレイン京都」に入会し、親子で騎乗するエピソードには、しんじさんが子どもだった頃の、輝いていた時間が見え隠れする。(小学校1年生のひとひくんが書いた日記「うまにのったよ」には花丸をあげたい😸)

 しあわせな子どもの時間を共有し、温かい気持ちになれる1冊です。 

 実は、いしいしんじさんの本を読んだのはこれが初めて。

 かつて京都の丸善で新刊記念のイベントがあり、新刊コーナーに「いしいしんじコーナー」が出来、しんじさんは毎日フルーツをテーマに「その場小説」を書く、それを「きんじょ」の皆さんが温かく見守るというというエピソードに、いしいしんじさんの偉業を感じ、次は小説を読みたいと思います。

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