旅するやまねこ舎のつれづれ

旅するやまねこ舎@ローカルブックストアkita.(横浜・馬車道・北仲通り)棚主やまねこが本について語ります😸

書こうとしない「かく」教室 いしいしんじ 著

5月最終日。朝はJアラートに始まり、出かけようとしたら、東急線が発煙騒ぎで運休。お昼ごろ運転再開直後に再び発煙。自宅待機していたが、結局復旧したのは15:00ごろで外出を諦めた。そのお蔭で一冊読めました😅 

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「書こうとしない「かく」教室」

いしいしんじ 著

2022年4月27日 初版第1刷

発行所 ミシマ社

本書はコロナ禍の最中に行われたミシマ社のオンラインイベントMSLive!「書こうとしない『かく』講座」(2021年4月~6月)と、こどもと大人のサマースクール2020「作文を書こう」(2020年8月)を再構成したもの。1994年に「アムステルダムの犬」でデビューした頃から現在に至るあれこれを語る、という中からいしいしんじさんの創作の背景を知ることができる一冊。

先日読んだ「きんじょ」と重複する内容も多いが、本書の方が時系列に沿った内容になっている。

いしいさんは大阪出身。京都大学文学部卒業後、東京、三崎(神奈川県)、松本、京都と転居。ご実家は学習塾で、曰く「うまれ育った実家には教室がついていた。」

いしいさんの作家としての原点は4歳半の時、「幼児生活団」時代に書いた「たいふう」というおはなしだそう。東京で生活していた32、3歳の頃、20年ぶりに小児ぜんそくが再発し、息ができなくなったいしいさんは医師の判断で実家に帰った。お母さんがつづらに入れて残してくれていた子ども時代の「おはなし」をくりかえし読み、自分の中が満たされていく…それに比べたらいままで自分が書いた本の数々や雑誌に連載したコラムなんてゴミみたいなもんやな…というくだりには心を打たれます。

また、掲載されている創作ノートの膨大なこと‼️

転居先で素敵な人々との出会いと別れ、中でも生涯の伴侶となった園子さんとのエピソード、息子さんの一日くん誕生直後の(臍の緒がつながっている!)写真も‼️

後半の「作文を書こう!」では、具体的なことばからわきあがってくるもの、言いかえれば、自分のなかをひたすら探すという試み。いしいさん流の「れんしゅうもんだい」は、国語の授業とは対極にある、全部正解❗️…というものでした。

さて、次は小説読みましょうね、ホントに😸